Contact〜再会した初恋の君に〜
「それともう一つ…。俺が好きなのは田中だよ」
少し離れたところにある外灯の明かりしかないこの場所でも、瀧本くんの真剣な眼差しを確認できた。だから、余計に戸惑ってしまう。
「…ぇ……」
「高校1年の時からずっと好きだった。俺の記憶の中で田中との想い出がすごく大事だった。忘れられなくて、会いたくて、やっと会えたのに話をする機会すらなくて辛かった」
「えっと……。待って、何言って…。私…頭、整理できてない…」
「田中…俺、今度はもう諦めないからな」
「…な、何を?」
急に彼に抱きしめられて、耳元で囁かれる。
「田中のこと。本気で好きだから。だから、田中にも俺のこと好きになってもらう」
言われた言葉は聞こえていても、急なことに頭がついていかない。
「ちょ、ちょっと待って。えっと…瀧本くんが私を好きって…冗談だよね…?」
瀧本くんは体を離し、私の肩に手を置いて視線を一直線に合わせてくる。