Contact〜再会した初恋の君に〜
「本当に本気だから…。さっきも言ったけど俺、高校1年生の頃から田中のこと好きだったんだぞ。結構あからさまな態度だったから、祐貴も佳純もクラスの奴らも知ってたよ」
「…佳純ちゃんも知ってたの?」
「気づいていないのはたぶん本人だけだ。大学が同じところに進学できたら良かったんだが、家の事情もあって東京から離れなきゃならなくて。あの時は好きだって言えなかった」
「ま、待って…。よくわからないんだけど……」
「先輩が田中のことかわいいって、ずっと飲みに誘ってほしいと言われていたが、他の男になんかに会わせたくなくて、必死に断っていた」
「…先輩って…誰のこと?」
「松本先輩だよ。飲みに行こうって誘われてたよな」
「…そう…だったかも…?」
「もう、俺だけを見て。俺が絶対に誰よりも一番に田中のこと好きだから…頼むから他の男なんて見るな」
顔が近づいてきたと思ったら、唇に温かくて柔らかい感触があった。
唇から離れた瀧本くんの口が今度は耳に触れる。そのままの位置で囁く瀧本くんの声が聞こえた。
「好きだ……。ねえ…俺と付き合って…」
もう完全に思考回路が停止してしまった。