Contact〜再会した初恋の君に〜

「あら、紗希ちゃん。お疲れ様」

「真紀子さん、お疲れ様です」

「リハビリ科、勉強になってる?」

「とても勉強になります。って、私がフォロー役のはずだと思うんですけど、私の方がフォローされてます」

「始めはそんなもんよ。そのうちリハビリセンターに行かないと言い出す人を行く気にさせたりするために、紗希ちゃんに頑張ってもらわないといけないのよ。そのために今はまだやる気のある人に付いてもらってるから。様子をよく観察するところから頼むわね」

「いろいろありがとうございます。がんばります」

本当に頼りになる先輩だな…と感謝して、残りの仕事を片付けた。

終業時間を少し過ぎたところで、今日の仕事を終えて職場を出る準備をしていた。

なんだかんだと心配していたわりには瀧本くんが流しているという噂のことを直接聞かれることもなく、またとやかく言われることもなく1日が終わった。

同じ建物にいても会わない、姿を見ることもないというのは実のところ寂しくもあった。
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