天使は君が嫌い
~1週間前~

「それで桃がさぁ」


僕 は その日 奈々 と 電話 を していた。


いつものように 他愛もない 会話 だった


と思う。


しばらく 談笑 し、奈々 は 用事 が あるから


と 電話 を 切った。


それが いけなかったのだ。


その 数時間後に 見た事の無い 番号 から


電話 が きた。


「鈴村(すずむら)真 さん で お間違い
ない でしょうか。」


「……? はい、そうですが。」


電話 の 主 は 低い お腹 に 響く ような


声 を していた。


嫌な予感 がした。


「私 堂本病院 の 医院長 を しております。
堂本 輝 (どうもと ひかる)と申します。
今から こちらまで 向かってこれますか?」


堂本病院…???


「できますが…。」


何故 病院 から 電話 が 来たのか。


その 心 を 読んだ かのように 、


「瀬戸内 奈々(せとうち なな)さんが
交通事故 に あいまして……」


コウツウジコ。


あまり 身近 では ない 言葉 に 現実味 を


感じられない。


「奈々さんの 私物 から 貴方 の 電話番号
が 書かれた 紙 を 見つけたので お電話
させて 頂きました。」


その後 は ほぼ 記憶 が ない。


奈々のお母さん を 呼んで 病院 へ 行って…


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