あさまだき日向葵
「食べてくれて、ありがとう」
「うん」
そっと、紙袋を折り畳もうとした。
「もうちょっと可愛いのに入れてきたら良かったんだけど、恥ずかしい」
「ああ、唐草? 渋いの持ってんなーとは思ってた」
「だよね」
「つる草のあちこち伸びていく模様だよな。生命力とか、一族の万代の繁栄、長寿って意味だっけ? 縁起物だよな。葛餅でも入ってたやつ?」
「……そう、なの?」
「確か、そんな感じ」
「塔ヶ崎くんの家みたいだね」
「ああ、はは。確かに、親の代が子孫増やしたからね」
何かそう言われると格好よく見えなくもないなあ。いつの間にか紙袋は塔ヶ崎くんの手にあって、塔ヶ崎が持ってるからかもしれないけど。
「聡子んちだって、わかんないじゃん。俺らの代で増えるかもしれないし」
「……」
「って、聡子が産むしかないんだけどな」
「10人も産めるかな?」
「え、何で10?」
「塔ヶ崎くんとこ、5人きょうだいでしょ?
一夫婦に子供二人としたら10人 」
「張り合うなよ……。てか、絶対うちの数は越せないだろ」
「ええ、何で? ってそうだよね。10人はなあ」
「そしたら、俺の子も10人かもよ?」
「……じゃあ、20人産んだら勝てる」
「そしたら、俺の子も20人になるな。養えるかなー」
「張り合ってるの、塔ヶ崎くんもじゃん!」
塔ヶ崎くんがきょとんとして、こっちを見た。
大人気ない対決。この前舞花ともしたなあ。私、負けず嫌いなのかも。
「うん」
そっと、紙袋を折り畳もうとした。
「もうちょっと可愛いのに入れてきたら良かったんだけど、恥ずかしい」
「ああ、唐草? 渋いの持ってんなーとは思ってた」
「だよね」
「つる草のあちこち伸びていく模様だよな。生命力とか、一族の万代の繁栄、長寿って意味だっけ? 縁起物だよな。葛餅でも入ってたやつ?」
「……そう、なの?」
「確か、そんな感じ」
「塔ヶ崎くんの家みたいだね」
「ああ、はは。確かに、親の代が子孫増やしたからね」
何かそう言われると格好よく見えなくもないなあ。いつの間にか紙袋は塔ヶ崎くんの手にあって、塔ヶ崎が持ってるからかもしれないけど。
「聡子んちだって、わかんないじゃん。俺らの代で増えるかもしれないし」
「……」
「って、聡子が産むしかないんだけどな」
「10人も産めるかな?」
「え、何で10?」
「塔ヶ崎くんとこ、5人きょうだいでしょ?
一夫婦に子供二人としたら10人 」
「張り合うなよ……。てか、絶対うちの数は越せないだろ」
「ええ、何で? ってそうだよね。10人はなあ」
「そしたら、俺の子も10人かもよ?」
「……じゃあ、20人産んだら勝てる」
「そしたら、俺の子も20人になるな。養えるかなー」
「張り合ってるの、塔ヶ崎くんもじゃん!」
塔ヶ崎くんがきょとんとして、こっちを見た。
大人気ない対決。この前舞花ともしたなあ。私、負けず嫌いなのかも。