あさまだき日向葵
12.唐草模様
私たちはお盆休み以外は、朝の数時間一緒に過ごした。
私の家はお盆休みはお墓参りくらいなのだけれど、塔ヶ崎くんのお家は忙しいと思うから。
フェニックスも元気だし家で過ごす必要もないのだけれど、過ごしやすくてついおじゃましてしまっていた。
「……あれ、誰か来てるの?」
そう言って、二階から誰かが下りてきた。
「あ、そうだ。今日、ねーちゃんいるんだった」
「お、おはようございます。おじゃましてます」
「ああ、毎日来てるって言ってた子? おはようございます。どうぞ、ごゆっくり」
私の心配を他所に、あっさりそう言われた。
立ち上がったけれど、そのまま座り直した。
「ねーちゃん全然気にしないから、大丈夫」
「ねー、スピルリナのグリンスムージー飲むけど、いる?」
「いらねー」
「あんたに聞いてない。彼女ちゃん」
「いらないです、ありがとうございます」
「そ」
うわぁ、『そ』って言い方が塔ヶ崎くんにそっくりで、顔が緩む。いや、顔も目元が似てて、美人!!
「私も混じっていい?」
「あ、はい、どうぞ」
って言っても何するわけでもないんだけど。
何となく広げたテキストが目の前にあるだけだ。
「わ、勉強熱心だね。朝から」
「勉強が趣味でして、この前まで」
ぶっ、と塔ヶ崎くんが吹き出した。
私の家はお盆休みはお墓参りくらいなのだけれど、塔ヶ崎くんのお家は忙しいと思うから。
フェニックスも元気だし家で過ごす必要もないのだけれど、過ごしやすくてついおじゃましてしまっていた。
「……あれ、誰か来てるの?」
そう言って、二階から誰かが下りてきた。
「あ、そうだ。今日、ねーちゃんいるんだった」
「お、おはようございます。おじゃましてます」
「ああ、毎日来てるって言ってた子? おはようございます。どうぞ、ごゆっくり」
私の心配を他所に、あっさりそう言われた。
立ち上がったけれど、そのまま座り直した。
「ねーちゃん全然気にしないから、大丈夫」
「ねー、スピルリナのグリンスムージー飲むけど、いる?」
「いらねー」
「あんたに聞いてない。彼女ちゃん」
「いらないです、ありがとうございます」
「そ」
うわぁ、『そ』って言い方が塔ヶ崎くんにそっくりで、顔が緩む。いや、顔も目元が似てて、美人!!
「私も混じっていい?」
「あ、はい、どうぞ」
って言っても何するわけでもないんだけど。
何となく広げたテキストが目の前にあるだけだ。
「わ、勉強熱心だね。朝から」
「勉強が趣味でして、この前まで」
ぶっ、と塔ヶ崎くんが吹き出した。