あさまだき日向葵
翌週まで待たされて、聡子は俺の家に来た。

俺の心配を他所に筒井たちと「……仲良くなったんだ」って言った。
ちゃんと、話をしたらしい。

……強いな。聡子は。自分でちゃんと解決した。それで、友達にもなった。
弱そうに見えて、強い。俺が間に入らなくても大丈夫だった。しなやかに、強い。

変わったなって思った。この夏休みに聡子はどんどん変わっていく。まぶしいくらいだった。
俺のために焼いてくれたクッキーはほろ苦かったり、甘かったり。でも、すごい旨かった。

例えば、将来、一人になるのが嫌なら俺といたらいいじゃん。って思う。家族多いし、そこに聡子も入ったらって思う。

でも、それを聡子に伝えても
「そんなわけないでしょう?」って言う。
先のことはわからない。それはそうだろう。

聡子の『好き』って何なんだろう。

俺の元カノに嫉妬するくらいなら、俺の事を好きなんだろう?
俺を疑ってるとか、信じてない、とかじゃなくて、気持ちの問題だ。俺にも覚えがある。
相手の言葉を信じられないとか、そんなんじゃない。頭でわかってても、心がどうしようもないことを“嫌”って言いたくなるんだよな。
態度で伝えるしかないと思う。

聡子が、俺をちゃんと見ていてくれるなら、伝わると思う。

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