あさまだき日向葵
「いや、塔ヶ崎くん髭って似合うのかな?
あのサンタクロースみたいな顎髭でしょ? うーん 」
と、想像してみる。
「……いや、ほら、こんなの」
と、スマホの画像で見せてくれたのは……お洒落な大学生くらいの男子の写真だった。
……そ、そりゃあそうだよ!お洒落なやつだよ!サンタクロースなわけないじゃん。これだからファッションに疎い人間は……
「こっちかあ」と言ってみたものの、サンタクロースなわけもなく恥ずかしい。
「サンタクロースは斬新だったな。あと50年くらい待ってくれる?」
「……だよ、ね」
「ふっ、聡子面白いよね」
「わからないもん、服とかファッションとか」
「まあね、自分の興味あることに時間は使いたいもんな。てことで、勉強する?」
「いいえ、後で。先に話を……」
「そうだな」
「……気持ちを」「夏の想い出を」
二人、言葉が被ってしまった。
『……気持ちを』って言いましたか、塔ヶ崎くんは。
塔ヶ崎くんのお母さんとお姉さんに比較的似てるらしい綺麗な目が見開かれた。
私を捕らえたまま数秒、ぱちぱちと瞬きをすると
「いや、それもそうだけど、昨日の話、このままにする気じゃないよね?」
……このままにする気だった私が今度は塔ヶ崎くんの言葉に目をしばたたいた。
あのサンタクロースみたいな顎髭でしょ? うーん 」
と、想像してみる。
「……いや、ほら、こんなの」
と、スマホの画像で見せてくれたのは……お洒落な大学生くらいの男子の写真だった。
……そ、そりゃあそうだよ!お洒落なやつだよ!サンタクロースなわけないじゃん。これだからファッションに疎い人間は……
「こっちかあ」と言ってみたものの、サンタクロースなわけもなく恥ずかしい。
「サンタクロースは斬新だったな。あと50年くらい待ってくれる?」
「……だよ、ね」
「ふっ、聡子面白いよね」
「わからないもん、服とかファッションとか」
「まあね、自分の興味あることに時間は使いたいもんな。てことで、勉強する?」
「いいえ、後で。先に話を……」
「そうだな」
「……気持ちを」「夏の想い出を」
二人、言葉が被ってしまった。
『……気持ちを』って言いましたか、塔ヶ崎くんは。
塔ヶ崎くんのお母さんとお姉さんに比較的似てるらしい綺麗な目が見開かれた。
私を捕らえたまま数秒、ぱちぱちと瞬きをすると
「いや、それもそうだけど、昨日の話、このままにする気じゃないよね?」
……このままにする気だった私が今度は塔ヶ崎くんの言葉に目をしばたたいた。