あさまだき日向葵
「いや、ちょっと待て。いいのか? 」
「いいとは?」
「もし、聡子が俺を好きなら、最終形態、付き合いたいとかないの?」
「ない」
「いや、気持ちを紐解いて、“好き”だと確信したら、付き合うとかなるだろう?」
「なるの?」
塔ヶ崎くんが、ばっと目を見開く。
わあ、眼球落ちそう~。あんなに目が開くの、眼科検診の時に有利……
「……聡子……」
「はい?」
「俺の夏の想い出を、それでいいや」
「それ……とは」
「これから勉強ばっかりになると思う。今も結構そうだけど。だから、勉強以外で楽しい事がしたかった。THE青春的な。今決めた、聡子、俺と想い出作って」
勉強以外?塔ヶ崎くん授業サボってるよね。勉強してるの?
「だから、眉間! 皺よりすぎ! 勉強、してるんだよ、俺も!」
「ねえ、それって誰得なの?」
「……損得で想い出作るんじゃねぇわ!」
塔ヶ崎くんの言ってる意味がわからない。
お皿に入れてくれた私の手土産の個包装のクッキーを一つ手にとって、塔ヶ崎くんに渡した。
「落ち着いて、ほら、甘いもの」
って……これ糖質カットだった。甘くないのだろうか。
「どうも」
「いいえ」
「いいや、ゆっくりで。聡子は何したいんだっけ?」
塔ヶ崎くんはいつもな穏やかな口調に戻っていた。塔ヶ崎くんのグラスにはレモンスライスが入っていて、ポーションじゃなくてちゃんとレモン切るんだなーと眺めていた。
「いいとは?」
「もし、聡子が俺を好きなら、最終形態、付き合いたいとかないの?」
「ない」
「いや、気持ちを紐解いて、“好き”だと確信したら、付き合うとかなるだろう?」
「なるの?」
塔ヶ崎くんが、ばっと目を見開く。
わあ、眼球落ちそう~。あんなに目が開くの、眼科検診の時に有利……
「……聡子……」
「はい?」
「俺の夏の想い出を、それでいいや」
「それ……とは」
「これから勉強ばっかりになると思う。今も結構そうだけど。だから、勉強以外で楽しい事がしたかった。THE青春的な。今決めた、聡子、俺と想い出作って」
勉強以外?塔ヶ崎くん授業サボってるよね。勉強してるの?
「だから、眉間! 皺よりすぎ! 勉強、してるんだよ、俺も!」
「ねえ、それって誰得なの?」
「……損得で想い出作るんじゃねぇわ!」
塔ヶ崎くんの言ってる意味がわからない。
お皿に入れてくれた私の手土産の個包装のクッキーを一つ手にとって、塔ヶ崎くんに渡した。
「落ち着いて、ほら、甘いもの」
って……これ糖質カットだった。甘くないのだろうか。
「どうも」
「いいえ」
「いいや、ゆっくりで。聡子は何したいんだっけ?」
塔ヶ崎くんはいつもな穏やかな口調に戻っていた。塔ヶ崎くんのグラスにはレモンスライスが入っていて、ポーションじゃなくてちゃんとレモン切るんだなーと眺めていた。