あさまだき日向葵

「そうか、でも、結婚してめっちゃいっぱい子供いるかもしんないぞ？」
「かもしれないね。でも一人かもしれない。どっちも想定しておかないとね」
「ふっ、聡子らしいな。じゃあ、ちょっと想定してみて。俺と結婚したとしたら……ここの家族プラス、兄姉弟妹のパートナー、子供も親戚になる」
「うわあ、ここのリビング広いから全員集まれるだろうけど。……人の顔と名前覚えるの得意で良かった」
「そうなっても、猫は飼おう」
「うん……」

どういう意味で塔ヶ崎くんが言ったのかはわからない。
でも少し、賑やかで楽しいんだろうなって思った。人が多いとその分、気をつけて遣わなきゃならなくて意見の衝突とか色々あるかもしれない。それを一緒に考えてくれる人がいるのは……いいなあと羨ましく思った。そうなれる未来の方を、羨ましいと思った。

「俺別に寂しいから聡子呼んでるわけじゃないけど……」

さっきの、気にしてるのか、少し拗ねたような顔で言う。

「うんうん、わかってるよ」
「友達だって、多い方だし、別に聡子呼ばなくったって……することはある」
「あー、本当だ。塔ヶ崎くん友達多いもんね。そうか、私じゃなくてもいいね」

彼女は別れたって言ってたけれど、女の子の友達も多いし、私じゃなくても誰か呼んだら来てくれる人はいるだろう。