あさまだき日向葵
しばらく、フェニックスに薬を飲ませるのに苦労してるだろう声が聞こえてきて、再びフェニックスを手に私の前に座った。
「……それ、マジなのかね?」
年寄りくさい物言いに見つめる。
「……マジ、とは?」
「聡子、俺が聡子に興味ないってわかったらショック受けてたじゃん」
「うん」
「でも、俺と付き合いたくないの?」
「……うーん、そこまで考えてなかった。でも自分のことに興味ない人と付き合うのは嫌だな」
「……じゃあ、俺が彼女つくったら?」
「嫌」
「……じゃあ、他の女子を家に呼んだら?」
「嫌」
塔ヶ崎くんはため息ひとつ。それから
「……マジか」
と、呟いた。
嫌だと思う。元カノの話を聞いても、ここへ他の女の子が来たことあるって知っても、胸が痛くなるくらいだから。
でも、塔ヶ崎くんと付き合うとかはピンと来なさすぎる。付き合う事が未知の世界過ぎるし、学校で過ごす友達はいたけれど、放課後遊ぶ友達なんてほんの少ししかいなくて、決められた時間には家にいたし、友達とすら、枠から出るような、何か特別な事はしたことがなかったのと思う。
「そういうこと、したことないの」
「……へぇ? いや、待て。何の話だよ」
塔ヶ崎くんが、焦ったように立ち上がった。
「……それ、マジなのかね?」
年寄りくさい物言いに見つめる。
「……マジ、とは?」
「聡子、俺が聡子に興味ないってわかったらショック受けてたじゃん」
「うん」
「でも、俺と付き合いたくないの?」
「……うーん、そこまで考えてなかった。でも自分のことに興味ない人と付き合うのは嫌だな」
「……じゃあ、俺が彼女つくったら?」
「嫌」
「……じゃあ、他の女子を家に呼んだら?」
「嫌」
塔ヶ崎くんはため息ひとつ。それから
「……マジか」
と、呟いた。
嫌だと思う。元カノの話を聞いても、ここへ他の女の子が来たことあるって知っても、胸が痛くなるくらいだから。
でも、塔ヶ崎くんと付き合うとかはピンと来なさすぎる。付き合う事が未知の世界過ぎるし、学校で過ごす友達はいたけれど、放課後遊ぶ友達なんてほんの少ししかいなくて、決められた時間には家にいたし、友達とすら、枠から出るような、何か特別な事はしたことがなかったのと思う。
「そういうこと、したことないの」
「……へぇ? いや、待て。何の話だよ」
塔ヶ崎くんが、焦ったように立ち上がった。