あさまだき日向葵
「それこそ、その場しのぎの約束じゃないの?」
「まあね、どうなるかわからないよね。でも……嘘だったかどうかは来年までわからない。な?」
「ふっ、テキトーだね」
でも、安易に絶対なんて言われるより現実味があって嬉しくて笑った。
「つか、まだ今年の花火始まってないし。むしろ、この帰り道に『来年も一緒に来ようね!』とか言いたかったわ、俺」
「あはは! そうだね。来年は私の事を羨ましいって横の女の子に言われてるかもね」
「……だから、来年も……聡子が横にいたらいーじゃん。はい、焼きそば!こっちたこやき。半分こね。どっちも食いたいし」
「……うん、ありがとう」
『半分こ』だって。可愛い。ちょっと胸いっぱいだけど、美味しそうだ。
「浴衣、しんどくない?」
「うん、大丈夫」
「そ、じゃあいっぱい食べて。帯苦しくなったら俺が緩めるから」
「はーい」
「……」
「……どうしたの?」
「『俺が帯緩める』は、ちょっと言葉的にアレだなと」
塔ヶ崎くんは自分で言っておいて赤くなって焦ってる。
「いや、ほら、俺家族多いから色んな事に対応出来るように……」
と、爪切り、バンソーコー、ウェットティッシュ、タオル……と、信玄袋をひっくり返して見せた。
「あはは! ドラえもんみたい! 髪も青いし」
「……色?」
複雑な顔で、袋に中身を戻して
「これ、ドラえもんと同じ?」
と、襟足を気にしていた。
「まあね、どうなるかわからないよね。でも……嘘だったかどうかは来年までわからない。な?」
「ふっ、テキトーだね」
でも、安易に絶対なんて言われるより現実味があって嬉しくて笑った。
「つか、まだ今年の花火始まってないし。むしろ、この帰り道に『来年も一緒に来ようね!』とか言いたかったわ、俺」
「あはは! そうだね。来年は私の事を羨ましいって横の女の子に言われてるかもね」
「……だから、来年も……聡子が横にいたらいーじゃん。はい、焼きそば!こっちたこやき。半分こね。どっちも食いたいし」
「……うん、ありがとう」
『半分こ』だって。可愛い。ちょっと胸いっぱいだけど、美味しそうだ。
「浴衣、しんどくない?」
「うん、大丈夫」
「そ、じゃあいっぱい食べて。帯苦しくなったら俺が緩めるから」
「はーい」
「……」
「……どうしたの?」
「『俺が帯緩める』は、ちょっと言葉的にアレだなと」
塔ヶ崎くんは自分で言っておいて赤くなって焦ってる。
「いや、ほら、俺家族多いから色んな事に対応出来るように……」
と、爪切り、バンソーコー、ウェットティッシュ、タオル……と、信玄袋をひっくり返して見せた。
「あはは! ドラえもんみたい! 髪も青いし」
「……色?」
複雑な顔で、袋に中身を戻して
「これ、ドラえもんと同じ?」
と、襟足を気にしていた。