あさまだき日向葵
「塔ヶ崎くん、浴衣すごい似合うね。特に白!その髪の毛の青と白がすごく、似合う」
「……それこそ、ドラえもんと同じ配色じゃないか」

「ふっ、気にしてる。ここへ来るまでに浴衣の男子もいっぱいいて、男子の浴衣格好いいなって思ってたの。でも塔ヶ崎くん、断トツに格好いいね、もう、断っトツだよ!!」
「……どうも」

あれ?塔ヶ崎くんはそれだけ言うと、たこ焼きを割ってる。冷ましてるのかな?
と、覗き込むと照れ臭そうに笑った。

「聡子も可愛い」
「浴衣?」
「浴衣着てる聡子」

そう言われて、私も……たこ焼きを割った。
恥ずかしい。

「聡子も白と青じゃん。ほら」
塔ヶ崎くんが、私の髪飾りをつんっとつついた。
そうだよ、だって塔ヶ崎くんのこと考えながら選んだから。

「白と青って綺麗だね」
「だな、途中、ぱんつ透けてないか気になって……」

慌てて振り返って確認する私に
「あ、俺のって意味」
「……」

さすがに、塔ヶ崎くんに透けてない?なんて聞けるわけもなく、ついでに塔ヶ崎くんのぱんつが透けてるか確認も出来ず。さっきからちょっと話しては、もくもくとたこ焼きを食べる。という不自然な行動をお互いに繰り返していた。

「カップルばっかりだね」
「……だな」

と、この話題でも空気がおかしくなってしまった。
周りのカップルは例外なくみんな手を繋いだり、体をひっつけたりしている。
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