君のことが大嫌い
「毒林檎風の焼きリンゴとか、どう?」

「そこまでできるかな」

「だよねぇ」

絵本を読み漁り、浮かんだ案をルーズリーフに書き込んでいく。

「綿木くんって、意外とひらめきボーイだね」

「なにそれ」

ふはっと声を漏らして笑った。

誰もいない図書室だからか、多少話しても怒られなかった。

「なんとなく、そんな気がした」

私が言うと、君も微笑んで口を開く。
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