君のことが大嫌い

三章

「涼香可愛い!」

美香が言うのが聞こえる。

文化祭当日まで結局衣装が分からなかったけど、やっと着てみてわかった。

赤ずきんだ。

レース付きの赤ずきんと、それに似合うようなふわふわのツインテール。

ヘアメイクまで至れり尽くせりで、鏡を見たらまるで別人。

漫画とかでよくある、これが私……?が現実に起きた瞬間だった。

「すごい、こんな、絵本のヒロインみたい」
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