君のことが大嫌い
「最近はノートの字も歪んでるのが多いし、もっと真面目にやれよ」

その声が放つ言葉はどんどん酷くなっていく。

そんなことないって思いたいけど、見えてしまった。

あの王子様の服を着た君と、いつも君の周りにいる人たちの姿が。

君は全然微動だにしなかった。

はいはい、と言わんばかりに財布を取りだして、1枚、紙幣を渡していた。

その姿を見るのは、心がえぐられるほど苦しかった。

好きな人が苦しんでいる姿がこんなにも辛いなんて知らなかった。
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