君のことが大嫌い
お金を貰って満足したのか、君の周りの人達は教室から出てきた。

私に気付く様子もなく、ただ笑い、何を買おうかとか、何をさせようかと楽しげに話していた。

人として終わっている。

君のことを酷い扱いしている人達が階段を降りたのを確認して、私は君がいる教室へ入った。

壁にもたれかかって、先程とは裏腹に苦しそうな顔をしている。

「凪、くん……?」

恐る恐る声をかけると、君は見たこともない情けない顔をして私を見た。
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