君のことが大嫌い
先生が君の友達を注意し終えてふぅ、と一息吐いたあと、私を指名した。

いやいや、そこはあの人たちを指名するところでしょう。

そんなことを思ったところで、言えるほど勇気がある訳では無い。

それにもう、呼ばれた勢いだけで返事をしてしまった。

これはもう、立ち上がって何かを言う他ない。

「えっと……。あ、桜田門外の変!です!」

ついさっきノートに書いた井伊直弼から必死に結びつけて考えた答え。

私が答えると、先生の頬が緩んだ。
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