公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
決意
「だって、公爵って無粋すぎるのよ。それに、肌にあたると痛いし冷たいから」
姉は夫であるウインズレット公爵とたった一夜でもともにしなかったことについて、そのように言った。
その姉の理由はともかく、結局公爵は彼女に拒まれて抱かないまま彼女を亡くした。ということは、姉が身籠るわけはない。少なくとも公爵との子は。
ありがたいことに、公爵は国境と王都を行ったり来たりしている。姉は、それをいいことに「体調がすぐれないので実家で静養する」とウインズレット公爵家の使用人たちに嘘を言い、街の闇医者で堕胎をしてもらった。
彼女の行いの是非や善悪はともかく、神は無慈悲だった。
堕胎時に出血がとまらなくなり、彼女はあっけなく死んだ。
そうきかされた。
姉は夫であるウインズレット公爵とたった一夜でもともにしなかったことについて、そのように言った。
その姉の理由はともかく、結局公爵は彼女に拒まれて抱かないまま彼女を亡くした。ということは、姉が身籠るわけはない。少なくとも公爵との子は。
ありがたいことに、公爵は国境と王都を行ったり来たりしている。姉は、それをいいことに「体調がすぐれないので実家で静養する」とウインズレット公爵家の使用人たちに嘘を言い、街の闇医者で堕胎をしてもらった。
彼女の行いの是非や善悪はともかく、神は無慈悲だった。
堕胎時に出血がとまらなくなり、彼女はあっけなく死んだ。
そうきかされた。