公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「きみは? 図書館にいたのではなかったのか?」
「えっ? ええ、ええ、そうなのです。本を探し始めたのですが喉が乾きまして、飲み物をと。図書館のカフェテリアもいいのですが、公園の広場に美味しいレモネードを売っている屋台があるのです。久しぶりに飲もうと行ってみたのですが、あいにく今日はお休みでした。それで、戻ってきたわけです」

 よかったー。先程、よくぞ広場をチェックしたものだわ。

「そうか……」

 公爵は、一瞬黙り込んだ。

「その、ミユ。もしも図書館での用事が急ぎでなければ、これから付き合ってくれないか? 会ってもらいたいものがいるのだ」
「はい?」

 ちょちょちょ、ちょっと、どういうこと?
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