公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「じつは、知り合いに双子の兄弟がいるのです。あなた方同様一卵性でそっくりです。周囲の人は、彼らのことを初対面だけでなくいまだに見分けがつかない人もいるようです。ですが、わたしはなぜかどちらだどっちだとわかるのです。そういうわけで、いまもすぐにピンときました。それに、わたしのことを最初は奥様とおっしゃいましたが、そのつぎにはレディとおっしゃいましたよね?」
「おやおや。すごい洞察力ですね。ハミルトンは、真面目すぎますからね。彼だけでなく、ウインズレット公爵家の使用人たちは、どうも真面目すぎるようです。あなたのことを『奥様』、と呼んでいるに違いない。ですが、上流階級の奥様の中には『奥様』と呼ばれることを嫌う方もいらっしゃいます」
「たしかにおっしゃる通りです」
リチャードと目が合うと、ハミルトンとまったく同じふくよかすぎる顔にやわらかい笑みが浮かんだ。
「おやおや。すごい洞察力ですね。ハミルトンは、真面目すぎますからね。彼だけでなく、ウインズレット公爵家の使用人たちは、どうも真面目すぎるようです。あなたのことを『奥様』、と呼んでいるに違いない。ですが、上流階級の奥様の中には『奥様』と呼ばれることを嫌う方もいらっしゃいます」
「たしかにおっしゃる通りです」
リチャードと目が合うと、ハミルトンとまったく同じふくよかすぎる顔にやわらかい笑みが浮かんだ。