公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「ブルルルルル」
レディが鼻を鳴らした。
「彼女は、もともと軍馬として調教していたんだ。すごく優秀でな。走らせれば、そこらの牡馬よりずっと速い。彼女より速いのは、おれの愛馬くらいだな」
「閣下、ぼくの相棒も彼女より速いですよ」
自慢げに解説を始めた公爵に、イーサンが控えめに割り込んできた。
「が、彼女は気立てがよすぎる。さすがはおれの『レディ』といったところだ。気立てがよすぎて軍馬としては向いていない。だから、急遽乗馬用の馬として調教しなおしたわけだ。すると、やはり乗馬用としても優秀であることがわかった。彼女は大型ではないから、きみでも充分乗りこなせるはずだ」
彼女の鼻面をなでつつとくとくと説明をする公爵は、まるで父親みたいにうかがえる。
ほんとうに彼女が、馬が好きなのね。
またしても彼の意外な一面を垣間見た気がする。
レディが鼻を鳴らした。
「彼女は、もともと軍馬として調教していたんだ。すごく優秀でな。走らせれば、そこらの牡馬よりずっと速い。彼女より速いのは、おれの愛馬くらいだな」
「閣下、ぼくの相棒も彼女より速いですよ」
自慢げに解説を始めた公爵に、イーサンが控えめに割り込んできた。
「が、彼女は気立てがよすぎる。さすがはおれの『レディ』といったところだ。気立てがよすぎて軍馬としては向いていない。だから、急遽乗馬用の馬として調教しなおしたわけだ。すると、やはり乗馬用としても優秀であることがわかった。彼女は大型ではないから、きみでも充分乗りこなせるはずだ」
彼女の鼻面をなでつつとくとくと説明をする公爵は、まるで父親みたいにうかがえる。
ほんとうに彼女が、馬が好きなのね。
またしても彼の意外な一面を垣間見た気がする。