公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「こいつ、どうするんだ?」

 男たちのだれかが、「今朝の卵はどう料理する?」みたいな口調で尋ねた。

「いずれにせよ、こいつはやるつもりだった。こうしてノコノコやってきたのは好都合だ。それにしても、こいつもあの『クソ女』と同レベルというわけだ。ここがな」

 ジェロームは、指先で自分の頭を「トントン」と叩いた。

 月明かりの下、彼の瞳が青色だということがわかる。

 金髪碧眼、中肉中背。たしかに、彼のようなタイプはどこにでもいそうである。だけど、全身から溢れ出ている雰囲気は、ヤバすぎる。
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