公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「『狂犬』?」
「『狂犬』だ」
「くそっ! 八つ裂きにされるぞ」

 男たちにさらなる衝撃が走ったみたい。

 というか、「狂犬」?

 あの仔犬ちゃんが?

 そうだったわね。見た目にだまされてしまったけれど、初対面での彼はほんとうに怖ろしかった。

 そんな彼は、見た目とのギャップで「狂犬」っぽく見えるのかもしれないわね。
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