公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね

嘘っ、嘘よっ!

「クソッ! 『銀仮面の騎士』に『狂犬』など相手にしていられるかっ。だいいち、そんなちんちくりんのガキみたいな女、どうしてそこまでかまう必要がある? どこがそんなに大切なのか……」
「だまれっ!」

 ジェロームの怒鳴り声に、公爵の大喝がかぶった。

 その大喝は、鼓膜を震わせた。

「彼女は、ミユは、おれがこの世で愛する唯一のレディ。その彼女を傷つけた貴様らは、ぜったいに許さん」

 なんてことかしら。

 いまの彼の台詞は、さすがに衝撃的だった。
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