公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね

「ミユ。きみを守らねばならなかったのに危ない目にあわせてしまってすまなかった」
「油断してしまった。まさか、きみが深夜に屋敷を飛び出し、「三日月亭」に行くなどとは……。しかし、これはただの言い訳にすぎない」
「ちょちょちょ、ちょっと待ってよ。謝らないといけないのは、わたしでしょ？　だって、あれほど屋敷でおとなしくしておけと言われたのに、勝手な行動をしてしまって」
「おうっ、そうだそうだ。ミユが一番悪い。それから、彼女の行動を読めなかったジェフとネイサンも悪い。当然、すぐ側にいながら気がつかなかったブレントンもだ。とくにブレントン、おまえはじゃじゃ馬ミユの手綱をしっかり握っておくべきだった」

　なぜかボスがしゃしゃり出てきた。ボスは腰に手をあて、エラそうに決めつけた。

　公爵とエドモンド兄弟は、シュンとしている。