公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね

公爵と二人っきりで……

「ミユ。まさか、きみが自分で調査に乗りだすとは思わなかった。きみが人一倍行動的だということは、叔父からきかされていたが……。まさか、ここまでとは思いもしなかった」
「ボス、ちょっとどういうこと? わたしがここまでって、どういうとこまでなの?」
「って、おれのせいか? どうしておれが悪者になるんだ? だいたい、ブレントンが素直に告げるべきだったのだ。『ミユ、きみのことが気になって仕方がな……』」
「わあああああっ!」

 ボスの言葉にかぶせるようにして、公爵が急に大きな声を出したので驚いてしまった。

「それに『何でも屋』の近くからミユ様の様子をこっそりうかがうなんて、ファース王国軍の将軍のすることではありませんよね」
「イーサンの言う通りだ。将軍のすること、というよりかは人間(ひと)としてすることか? まさしく変質者だ」
「……」

 イーサンとボスに責められ、公爵は黙りこくってしまった。
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