公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね

「さて、そろそろ人間(ひと)が動き始める時間帯です。従兄殿を揶揄ったことですし、横槍が入る前に、連中の尋問を始めます」

　イーサンが立ち上がった。

「とりあえず、おまえたちも屋敷に戻ったらどうだ？」
「そうします」

　ボスに勧められ、公爵はバツが悪そうに立ち上がった。

　それから、ボスとイーサンとエドモンド兄弟に見送られ、「何でも屋」をあとにした。

　イーサンは、このままエルガー帝国の諜報員たちを尋問しに行くらしい。

　いまでもまだ、彼とボスが親子だとということとボスが軍の重要人物だったことを納得しているわけではない。