公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 ダメダメ。それだけは、なにかやぬねさぜったいにダメ。

 公爵夫人という表の顔を、しっかり演じなければ。

 いえ、ちょっと待って。なにかおかしな解釈になっていないかしら?

 まぁ、いいわよね。

 とにかく、靴を履く練習をすること。

 またもや課題が出来てしまった。

 その靴箱が目についたのは、他の靴箱と違って紐がかけられていたからである。

 手に持ってみると、靴よりも重みがある。両手で振ってみると、金貨や銅貨がぶつかりあう音がする。

 なんてこと。盗んだ金貨や銅貨をここに隠していたのね。

 だったら、ブレントンに返そう。
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