公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 紙の束に目をやった。

 ほとんどが借用書や督促状である。

 姉は、実家の借金返済の為に働いているどころか自分で借金をしまくっていたらしい。

 まあ、この中には借金返済の為の借金もあるかもしれない。だけど、ほとんどが実家ではなく彼女自身のものに違いない。

 これも返さないといけないのかしら? それはそうよね。

 ざっと見たかぎり、貴族子息たちの名が多い。

 彼女の見てくれにだまされ、貢いでくれていた?

 ダメダメ。やはり、知らないふりは出来ない。

 彼らは忘れていたり、諦めているのだとしても、一応は尋ねてみないと。

 ブレントンに要相談ね。
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