公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「もしかして、その『証拠の書類』というのはこのことかしら?」

 公爵にも見せた封筒を差し出した。

 姉が遺した靴箱の中に入っていた封筒である。

「拝見しても?」
「もちろん」

 イーサンが可愛らしく尋ねてきたので、一瞬にして癒された。

 わたしってば、ボスに指摘された通り可愛いものが大好きなのね。

 犬や猫、その他もろもろの可愛らしい動物に弱い。

 公爵の贈り物でわたしの親友になってくれた牝馬の「レディ・ローズ」も最高に可愛らしい。

 ああ、はやく彼女に会いたいわね。
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