公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「どれどれ」

 せっかくイーサンに愛想を振りまいたのに、ボスがわたしの手から封筒をかっさらってしまった。

「ちょっと、ボス。この封筒は、イーサンに渡そうとしたのよ」
「いいじゃないか。息子のものは、父親のものだからな」
「どいう理論よ」

 文句を言っている間に、ボスが封筒から紙片を取り出し広げてみせた。

 イーサンとエドモンド兄弟が覗き込む。
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