公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「だから、そんな作戦はダメだ。ミユ、いいな?」
「はい、ブレントン様。あなたの仰せのままに従います」

 彼がやさしく肩を抱いてくれたので、全身で甘えることにした。

「バカバカしい」

 ボスのつぶやきがきこえたような気がしたけれど、ただの気のせいよね。

「ぼくがいきますよ。ぽんこつ子息は、軍の幼年学校の同期だったのです。当時、ぼくに懸想していましたからすぐに落ちるはずです。幼年学校のときは、すぐに退学させられましたからね。言いよられる暇がありませんでした」

 可愛らしいイーサンが申し出てくれたので、彼に任せることにした。
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