公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 結局、迷いに迷って二人で出席することになった。

 護衛として、可愛らしいイーサンとボスとジェフとネイサンが付き添ってくれることになった。

 そこからが大変である。

 ジリアンや他のメイド役の人たちに相談しなければならなかった。というよりか、彼女たちに采配してもらった。

 王家主催のパーティーに出席をする準備を、である。

 彼女たちにすべてを託した。自慢ではないけれど、わたしはセンスがない。あれこれ悩んだ挙句にちぐはぐな恰好になるよりも、彼女たちに決めてもらった方がいいにきまっている。

 ジリアンたちは、プロの諜報員である。いまはブレントンの直属としてウインズレット公爵家を拠点とし、他の貴族や官僚たちの屋敷に潜り込んだり、場合によっては他国へ主張してその国の上流階級の屋敷に潜入するらしい。
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