公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「なるほど。ジリアン、わかった。そうする。ミユ。よりいっそうきれいになったきみをエスコートするのを楽しみにしているよ」

 ブレントンは、ジリアンに諭されすっかりその気になっている。

 彼はわたしの手に口づけすると、意気揚々と主寝室に引き上げた。

 主寝室へと続く扉が閉じると、だれかがふきだした。

 すると、笑いはあっという間に伝染し、全員で声を殺して笑った。

 いまのが男性をうまく扱うっていうのかしら?

 わたしにとって、ジリアンは良き先生でもある。

 それにしても、彼女が言ったようにこのわたしが素敵になれるわけないわよね?
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