公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「閣下、ミユ様。心の準備は出来ていらっしゃいますか?」

 可愛らしいイーサン、なんてことはもう言ってはいけないわね。ジリアンに叱られてしまうかもしれないから。とにかく、イーサンが姿勢を正してブレントンとわたしに尋ねてきた。

 わたしにとってこの王家主催のパーティーは、ブレントンの妻として初めて公の場に顔を出すことになるどころか、社交界そのものに初めて顔を出すことになる。つまり、この王家主催のパーティーは、わたしの社交界デビューにあたる。


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