公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね

渋いイケメン宰相登場

「ミユ」
「まあっ! ミユだわ」

 さらにうれしかったのは、ご近所さんたちとの再会である。

 実家のギャラガー男爵家がいよいよもってド底辺に落ちたとき、迷惑をかけたくなくてご近所さんとの親交をいっさい断ってしまったという経緯がある。そのときは、迷惑をかけたくない一心だった。だけど、子どもの頃にあれだけお世話になっておきながら勝手に親交を断ってしまったのは、どう考えても不義理すぎた。

 うちより爵位の高いご近所さんたちは、当然このパーティーに参加している。

 そんな不義理なわたしの姿を見、声をかけてくれた。
< 322 / 356 >

この作品をシェア

pagetop