公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「ミユがウインズレット公爵家に嫁いだって?」
「それはよかった」
「ミユはしあわせになるべきですもの」
「公爵閣下、ミユはいい娘です。どうかよろしくお願いします」

 ご近所さんたちは、すごくよろこんでくれた。不義理をしたにもかかわらず、好意的に受け取って祝福までしてくれた。

 おもわず、涙が浮かんでしまった。

 ブレントンに説明をしておかねばならない。

 幼少の頃からずいぶんと助けてもらったことを告げると、彼は感動したようだ。
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