公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね

「失礼だわ。いくらなんでもわかりきったおべっかは使って欲しくないのに」
「おべっか？　ミユ、彼はおべっかなど使ってやいない。いまのは、彼の本音だ」
「はい？　ブレントン様、おっしゃる意味がよくわかりませんが」
「ミユ。きみは、そうだな。ほんとうに可愛い。いいや。それでは不足だな。とてつもなく可愛いよ」
「ブレントン様まで、そんなことをおっしゃって。そんなことありませんってば。ねぇ、ボス？」

　もうっ、どうにかしてよ。

　今夜は揶揄われるには疲れきっているわ。