公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 あまりの心地よさに瞼を閉じたくなった。そうしようとしたとき、二人っきりではないことに気がついた。

 窓の向こう、上空に大きな月が浮かんでいて彼とわたしをじっと見つめている。

『お姉様、ブレントンとの縁をありがとう』

 心の中で姉にお礼を言った。

 姉はきっと空の上で驚いているでしょう。

 まさかの展開すぎるから。

 さて、これからさらに面白くなりそうだわ。

 これこそが、わたしにとってしあわせなのかもしれない。

 まだまだ続きそうな口づけにうっとりしつつ、そう実感した。


                             (了)
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