公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「はい」
「じゃあ、いっしょにいいかしら?」
「ですが、奥様」
「だって、ここで一人で食べるのって寂しいでしょう?」

 ほんとうは、一人の方がいい。というよりか、立ったままパンをかじる程度だった。いままでゆったりじっくり食べるなんてことじたい、めったになかった。

「そうですよね」

 ジリアンのやさしい美貌に花が咲いた。

 ああ、尊い。

 そのあけっぴろげな笑顔がまぶしすぎる。

 姉の高慢な美しさとはまったく違うわ。
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