公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「こんなろくでもない仕事を続けていたら、いつか殺されるか警察に売られて監獄に入ることになる。図書館なら、本好きのおまえにはぴったりだし、司書の資格を取得すればそこそこの給金をもらえる。なにより、王宮の図書館なら金持ちで美貌の貴族の目に留まるかもしれない。前途は洋々だ」

 ボスは、そう言って頭を撫でてくれた。

 彼は、わたしを子ども扱いするのだ。

 ただ、そのときに今後はあまり接触しないようにとも言われた。

 変な噂が流れてはいけないから、という。

 彼の言いたいことはよく理解出来た。だけど、感情面ではムリだった。

 泣く泣く彼らの前を去った。

 ボスの言いつけ通り、「何でも屋」を辞めてから一度も会っていない。


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