公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
 こんな「何でも屋」にはもったいないほどの美貌の持ち主で、パッと見は見分けがつかない。

 だけど、なぜかわたしは初対面から何となく違いがわかった。

 お兄さんのジェフは、ネイサンよりもよりいっそう知的な美貌。弟のネイサンは、知的な美貌。

 わたしよりひとまわり年長だけど、すごく若く見える。

 だから、二人と街を歩いたら、街のレディたちに睨まれてしまう。

 彼らは、街のレディたちや上流階級のレディたちに大人気なのである。

 だから、落ちぶれ男爵令嬢のわたしなんかより、彼らの方がよほど上流階級の調査に向いているはずなのだ。
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