公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね

姉の調査をしたいの

「ミユ、窓だよ。裏の建物が焼けてね。そのお蔭といってはなんだけど、通りを眺めることが出来るようになったのだ」
「そうそう。でっ、ボスがきみがここに向っているのを見たわけさ。そして、三人でいまかいまかと待っていたというわけ」
「なーんだ。ボス、ひどいわ」

 ジェフとネイサンがバラしてくれた。

 おもわず、頬を膨らませてしまった。

「すまないすまない」

 ボスが大笑いし始めると、あいかわらずすぎてつられて笑ってしまった。

 昔からいつもそう。

 笑いはすぐに伝染するから、ジェフとネイサンも大笑いしている。

 みんなでひとしきり笑った後、近況を報告しあった。

 ちょっといない間に、事務所内がずいぶんとすっきりきれいになっている。
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