鬼上官と深夜のオフィス
ーー
さて、深夜のオフィスであんあん言っちゃうなど生まれて初めてな私であるが、事後冷静になってみれば「とんでもないことをしてしまった!」と思うばかり。
ちらりと上に伸し掛かる佐久間君に視線を向けてみれば、なぜか仕掛けてきた張本人も動揺しまくりのご様子で。
「……す、すみません。先輩、大丈夫でした?」
「あ、いえいえこちらこそ、なんだかすっかり気持ちよくして頂いちゃって……。」
佐久間君は身体を離してむくりと起き上がると、目は泳ぎっぱなしながらも私を抱き起こして、身なりを整える手助けしてくれるのだった。
そんな訳で残りの書類作成なんてする気になれず、結局翌日休日出勤しようということで本日の作業は敢え無く終了。
ぎこちない雰囲気のままオフィスを出て、別れ際に「ではまた明日」とあいさつをすると、佐久間君は何かを決意したような顔で、突然ぎゅうと私の腕を掴んで身体を抱き寄せた。
「俺、先輩のこと、本当に好きなんですからね。それは覚えておいて下さいね」
耳元でそう熱く囁くと、ぼう然とした私を路肩に停車していたタクシーに押し込み「じゃ、また明日。気をつけて帰ってくださいね。」と、そのままこちらを見もしないでスタスタ足早に帰って行く。
タクシーの中、佐久間君の別れ際の言葉が、頭の中でこだまする。
そんなことを聞かされてしまった私は、彼と明日どんな顔で会えばいいのかと、ただただ狼狽えるばかりなのだった。
さて、深夜のオフィスであんあん言っちゃうなど生まれて初めてな私であるが、事後冷静になってみれば「とんでもないことをしてしまった!」と思うばかり。
ちらりと上に伸し掛かる佐久間君に視線を向けてみれば、なぜか仕掛けてきた張本人も動揺しまくりのご様子で。
「……す、すみません。先輩、大丈夫でした?」
「あ、いえいえこちらこそ、なんだかすっかり気持ちよくして頂いちゃって……。」
佐久間君は身体を離してむくりと起き上がると、目は泳ぎっぱなしながらも私を抱き起こして、身なりを整える手助けしてくれるのだった。
そんな訳で残りの書類作成なんてする気になれず、結局翌日休日出勤しようということで本日の作業は敢え無く終了。
ぎこちない雰囲気のままオフィスを出て、別れ際に「ではまた明日」とあいさつをすると、佐久間君は何かを決意したような顔で、突然ぎゅうと私の腕を掴んで身体を抱き寄せた。
「俺、先輩のこと、本当に好きなんですからね。それは覚えておいて下さいね」
耳元でそう熱く囁くと、ぼう然とした私を路肩に停車していたタクシーに押し込み「じゃ、また明日。気をつけて帰ってくださいね。」と、そのままこちらを見もしないでスタスタ足早に帰って行く。
タクシーの中、佐久間君の別れ際の言葉が、頭の中でこだまする。
そんなことを聞かされてしまった私は、彼と明日どんな顔で会えばいいのかと、ただただ狼狽えるばかりなのだった。