さよなら、真夏のメランコリー
二 少しずつ癒えていく傷
『ええぇっ~! 輝先輩と付き合うことになったぁ!?』
スマホから聞こえてきた真菜の声が、鼓膜に反響する。
あまりにも大きかったせいで、耳がキーンと痛くなった。
「う、うん」
『いつから!?』
「今日……」
『どっちが告ったの!?』
「せ、先輩から……」
『美波も好きだったってこと!?』
「う……えっと……」
『私、聞いてないけど!?』
「いや、その……自分の気持ちに気づいたのが、輝先輩の告白がきっかけだったっていうか……」
『で、気づいた瞬間、もう両想いで付き合うって!?』
怒涛の質問攻めのあと、『めっちゃハッピーじゃん!』と興奮した声音が響いた。
遡ること、一時間前。
大阪生活一日目にして【飽きた!】と送ってきた彼女と、なんとなくラインのやり取りをしていた。
そのうち、【電話してもいい?】と訊かれ、承諾したのが十五分ほど前だった。
だけど、心がふわふわしたままの私は、遊園地から帰宅してからというもの、家族との会話もままならなくて……。真菜にも、上の空だったことがバレてしまった。
もちろん事情を尋ねられ、戸惑いながらも白状して冒頭に戻る――というわけだ。
スマホから聞こえてきた真菜の声が、鼓膜に反響する。
あまりにも大きかったせいで、耳がキーンと痛くなった。
「う、うん」
『いつから!?』
「今日……」
『どっちが告ったの!?』
「せ、先輩から……」
『美波も好きだったってこと!?』
「う……えっと……」
『私、聞いてないけど!?』
「いや、その……自分の気持ちに気づいたのが、輝先輩の告白がきっかけだったっていうか……」
『で、気づいた瞬間、もう両想いで付き合うって!?』
怒涛の質問攻めのあと、『めっちゃハッピーじゃん!』と興奮した声音が響いた。
遡ること、一時間前。
大阪生活一日目にして【飽きた!】と送ってきた彼女と、なんとなくラインのやり取りをしていた。
そのうち、【電話してもいい?】と訊かれ、承諾したのが十五分ほど前だった。
だけど、心がふわふわしたままの私は、遊園地から帰宅してからというもの、家族との会話もままならなくて……。真菜にも、上の空だったことがバレてしまった。
もちろん事情を尋ねられ、戸惑いながらも白状して冒頭に戻る――というわけだ。