さよなら、真夏のメランコリー
それから程なくして、ヒュー……と高い音が鳴り、夜空に大輪の花が咲いた。
打ち上がった花火の音とともに、あちこちから歓声が上がる。
「おおー」
「わぁっ! 始まったね!」
輝先輩と私も、満面の笑みで顔を見合わせた。
色とりどりの花火。
上がっては消え、また視界を彩る。
絶えず咲くカラフルな花たちは、そのたびに藍色の空に吸い込まれていった。
目がくらむような光の中、そっと隣を見る。
夜空に向けら荒れた彼の視線は、ただひたすらに真っ直ぐだった。
好き。
思わずそう言いたくなったくらい、横顔がとても綺麗で。
想いが込み上げてきただけなのに、なんだか涙が溢れ出してしまいそうだった。
人々の歓声。
耳をつんざく花火の音。
夏風に混じった微かな火薬の匂い。
花が咲くたびに輝先輩の顔に光が差して、私の瞳を捉えて離さない。
「美波? どうかした?」
「……ううん、綺麗だなって」
「うん、そうだな」
微笑んだ彼が、私の右手をそっと握る。
手のひらから伝わってきた体温すら愛おしくて、胸がきゅうっと詰まる。
花火が上がるたびに手を離したくなくなって、このままずっと一緒にいたいと思った。
打ち上がった花火の音とともに、あちこちから歓声が上がる。
「おおー」
「わぁっ! 始まったね!」
輝先輩と私も、満面の笑みで顔を見合わせた。
色とりどりの花火。
上がっては消え、また視界を彩る。
絶えず咲くカラフルな花たちは、そのたびに藍色の空に吸い込まれていった。
目がくらむような光の中、そっと隣を見る。
夜空に向けら荒れた彼の視線は、ただひたすらに真っ直ぐだった。
好き。
思わずそう言いたくなったくらい、横顔がとても綺麗で。
想いが込み上げてきただけなのに、なんだか涙が溢れ出してしまいそうだった。
人々の歓声。
耳をつんざく花火の音。
夏風に混じった微かな火薬の匂い。
花が咲くたびに輝先輩の顔に光が差して、私の瞳を捉えて離さない。
「美波? どうかした?」
「……ううん、綺麗だなって」
「うん、そうだな」
微笑んだ彼が、私の右手をそっと握る。
手のひらから伝わってきた体温すら愛おしくて、胸がきゅうっと詰まる。
花火が上がるたびに手を離したくなくなって、このままずっと一緒にいたいと思った。