さよなら、真夏のメランコリー
夜にはきちんと話すつもりで、輝先輩にラインを送った。
【昨日はごめんなさい。ちゃんと話したいです】
たった二行だったけれど、彼は読んだら返事をくれると思っていた。
ところが、その日どころか数日経っても既読がつくことはなく、今年が終わろうとしていた。
(なんで……?)
終業式のことを思い返しては、不安が募っていく。
あの日の私は、自分の感情をぶつけるばかりだった。
輝先輩の気持ちを考えることも、彼を思いやることも、そして信じることもできなかった。
投げつけてしまったひどい言葉たちが、脳内でグルグルと回る。
(先輩、もう私のことが嫌になったのかな? ひどいこと言っちゃったから……)
自分の言動を振り返るほどに、輝先輩から返事をもらえなくても仕方がないのかもしれない……と思えた。
あのあと、私は彼の電話やラインを無視していたのだから。
輝先輩のことを考えてばかりで、冬休みの課題が手につかない。
バイト中も、気づけばぼんやりしてしまう。
このままではいけないと思った私は、三十日になってようやくバイト帰りに彼の家に行ってみたけれど……。
インターホンを鳴らしても誰も出てこなくて、家の中は真っ暗のようだった。
「どこかに行ってるのかな……」
ぽつりと零れた声が、冬の冷たい空気の中に消えていく。
不安を抱えながら人の気配がない家の前で一時間近く待ったあと、結局は諦めて帰路に就いた。
【昨日はごめんなさい。ちゃんと話したいです】
たった二行だったけれど、彼は読んだら返事をくれると思っていた。
ところが、その日どころか数日経っても既読がつくことはなく、今年が終わろうとしていた。
(なんで……?)
終業式のことを思い返しては、不安が募っていく。
あの日の私は、自分の感情をぶつけるばかりだった。
輝先輩の気持ちを考えることも、彼を思いやることも、そして信じることもできなかった。
投げつけてしまったひどい言葉たちが、脳内でグルグルと回る。
(先輩、もう私のことが嫌になったのかな? ひどいこと言っちゃったから……)
自分の言動を振り返るほどに、輝先輩から返事をもらえなくても仕方がないのかもしれない……と思えた。
あのあと、私は彼の電話やラインを無視していたのだから。
輝先輩のことを考えてばかりで、冬休みの課題が手につかない。
バイト中も、気づけばぼんやりしてしまう。
このままではいけないと思った私は、三十日になってようやくバイト帰りに彼の家に行ってみたけれど……。
インターホンを鳴らしても誰も出てこなくて、家の中は真っ暗のようだった。
「どこかに行ってるのかな……」
ぽつりと零れた声が、冬の冷たい空気の中に消えていく。
不安を抱えながら人の気配がない家の前で一時間近く待ったあと、結局は諦めて帰路に就いた。