さよなら、真夏のメランコリー
私が住んでいる街は、都会でも田舎でもない。
駅前にはスーパーやドラッグストアが並び、コンビニも数社が点在している。
生活にはとても便利だし、私もドラッグストアとコンビニは常連だ。
とはいえ、私が知る限りおしゃれな店は皆無だった。
カフェなんてないし、あるのは六十代くらいの女性が経営する古い喫茶店くらい。
あとは、スナックとか個人店の居酒屋とか……。大人が通うような店ばかり。
高校生が楽しめるようなところは、すぐに思い浮かばなかった。
「……お気に入りの店とかないの?」
「おしゃれな店なんてないし……。高校生が遊べそうなのはカラオケくらいだよ」
「そっか。学校の近くだと知り合いがいると思ってここにしたけど、それなら別の駅で降りるべきだったか」
輝先輩は、真剣な顔で「どうするかなー」と悩み出した。
「っていうか、本当に奢ってくれなくてもいいから……」
「それは俺が嫌なんだよ」
意外と義理堅いのか、彼が眉を寄せる。
「……じゃあ、コンビニに行くか。どっち?」
「えっと……こっちにも反対側にもあるけど……」
「美波の好きな方でいいよ」
輝先輩に促され、駅前にあるコンビニに入った。
駅前にはスーパーやドラッグストアが並び、コンビニも数社が点在している。
生活にはとても便利だし、私もドラッグストアとコンビニは常連だ。
とはいえ、私が知る限りおしゃれな店は皆無だった。
カフェなんてないし、あるのは六十代くらいの女性が経営する古い喫茶店くらい。
あとは、スナックとか個人店の居酒屋とか……。大人が通うような店ばかり。
高校生が楽しめるようなところは、すぐに思い浮かばなかった。
「……お気に入りの店とかないの?」
「おしゃれな店なんてないし……。高校生が遊べそうなのはカラオケくらいだよ」
「そっか。学校の近くだと知り合いがいると思ってここにしたけど、それなら別の駅で降りるべきだったか」
輝先輩は、真剣な顔で「どうするかなー」と悩み出した。
「っていうか、本当に奢ってくれなくてもいいから……」
「それは俺が嫌なんだよ」
意外と義理堅いのか、彼が眉を寄せる。
「……じゃあ、コンビニに行くか。どっち?」
「えっと……こっちにも反対側にもあるけど……」
「美波の好きな方でいいよ」
輝先輩に促され、駅前にあるコンビニに入った。