さよなら、真夏のメランコリー
「みんな優しいから大丈夫だよ。わからないことがあれば、私も教えるし」
「う、うん」
「リラックスリラックス! あと、笑顔でね!」
「頑張る……」
「じゃあ、行きますか。おはようございまーす!」
昨夜からすでに緊張している私を余所にバイト先に着き、バックヤードを通って事務所のドアを開けた真菜の元気いっぱいの声が響いた。
バイト先は、ファミリーレストラン『ビヨンド』だ。
彼女は、シフトの調整がしやすいという理由で選んだらしい。
高校生だと採用してくれる職場は限られているため、家から近くて短時間からでも働けるというのは魅力的だと思った。
店長は三十代後半の男性。
スタッフはパートの女性たちを始め、高校生と大学生が多いのだとか。
大学生のほとんどは、高校生の時からここで働いていると聞いている。
「おはよう、真菜ちゃん。あ、その子が新しい子?」
「はい。親友の美波です。美波、この人は菜々緒さんだよ。うちらの三つ上で、高一からここで働いているんだって」
菜々緒さんと呼ばれた女性は、美人系の顔立ちだった。
くっきりとした二重瞼の猫目で、赤いリップがよく似合う。
明るいブラウンの髪はポニーテールにしているけれど、毛先まで艶がある。
三歳しか違わないはずなのに、とても大人っぽく見えた。
「う、うん」
「リラックスリラックス! あと、笑顔でね!」
「頑張る……」
「じゃあ、行きますか。おはようございまーす!」
昨夜からすでに緊張している私を余所にバイト先に着き、バックヤードを通って事務所のドアを開けた真菜の元気いっぱいの声が響いた。
バイト先は、ファミリーレストラン『ビヨンド』だ。
彼女は、シフトの調整がしやすいという理由で選んだらしい。
高校生だと採用してくれる職場は限られているため、家から近くて短時間からでも働けるというのは魅力的だと思った。
店長は三十代後半の男性。
スタッフはパートの女性たちを始め、高校生と大学生が多いのだとか。
大学生のほとんどは、高校生の時からここで働いていると聞いている。
「おはよう、真菜ちゃん。あ、その子が新しい子?」
「はい。親友の美波です。美波、この人は菜々緒さんだよ。うちらの三つ上で、高一からここで働いているんだって」
菜々緒さんと呼ばれた女性は、美人系の顔立ちだった。
くっきりとした二重瞼の猫目で、赤いリップがよく似合う。
明るいブラウンの髪はポニーテールにしているけれど、毛先まで艶がある。
三歳しか違わないはずなのに、とても大人っぽく見えた。